正義の見方:イスラム国殲滅・スンニ派弾圧
「イスラム国」を殲滅してはならない - 国際社会はスンニ派住民の保護を –
The Liberty Opinion 3 ザ・リバティ・ウェブより、抜粋・編集2015.03.29
イラクでは、シーア派のイラク政府軍、クルド人治安部隊、シーア派民兵がそれぞれイスラム国と戦うが、三者はバラバラに動く。クルド人部隊は政府軍を含むアラブ人を奪還地域から締め出す。シーア派民兵も政府軍の指揮外にあり、スンニ派住民を弾圧・殺害している。
シリアでは、シーア派のアサド政権がスンニ派住民の弾圧を続けている。過去4年の内戦では約21万人が死亡した。
このまま弾圧が続けば、たとえイスラム国を滅ぼしても、スンニ派の復興運動として第二、第三の「イスラム国」が出現しかねない。
国連や国際社会は早い段階で停戦に持ち込み、スンニ派住民が自治権や居住権を得られるよう、支援を行うべきだ。
東欧のボスニア・ヘルツェゴビナの例が参考になる。同国では、ソ連崩壊後、独立をめぐって三民族が対立し、暴力や虐殺が横行した。アメリカや国連の調停を経て、1995年、民族の自治権を認める協定が調印され、それぞれ政府を樹立。連合国となり、殺し合いは収まった。
中東でも、「イスラム国皆殺し」という、極端な事態は避けなければならない。
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