2016年03月11日

糖尿病で死ぬより、死なない放射線を怖がる



震災から5年 現地ルポ・福島で怖いのは放射線ではなく糖尿病
2016年ザ・リバティ4月号記事
2016.02.28 ザ・リバティ・ウェブより、有料記事の為大幅抜粋・編集
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10963

糖尿病が増える理由

  さらに、坪倉医師の話を聞く中で、驚くべき実態を知った。
 南相馬市周辺では糖尿病患者の増加が深刻な問題となっているというのだ。避難した住民では、震災前後で糖尿病の発生率が60%も増えた。
 糖尿病の原因は生活習慣の変化。特に、運動不足にあるという。糖尿病になるとホルモンバランスが崩れてガンになりやすくなってしまう。
「簡単に言うと、放射線でガンになる以前に、糖尿病で数十倍から百倍、ガンになりやすくなるという話です。 山にキノコを採りに行くのをやめて運動不足になるなら、多少被ばくしても、キノコを採りに行って食べた方が、長い期間健康でいられる、と言わざるを得ません」(坪倉医師)

福島もパリも変わらない
早野龍五(はやの・りゅうご)
東京大学大学院理学研究科教授。物理学者。

福島高校の生徒とフランスの高校生の交流の記録。「フランスを出るときから線量計を持って計測しながら来てもらいました。飛行機の中が一番高かった。『普段人々が生活しているところを移動して生活する限り、パリも福島もそんなに変わらない』と分かりました」(早野教授)。

「福島の内部被ばくは、もう心配ない!」
 こう断言するのは、東京大学の早野龍五教授。震災直後から福島の放射線量の推移を見つめてきた。当初は大規模な被ばくを心配していたが、実際の住民の被ばく量は極めて低く、体に害を及ぼすものではなかった。

 データに基づき、2013年には福島での内部被ばくの心配はないと結論づける論文を発表したが、「そんなはずはない」と、国内外の学者やマスコミから批判された。「福島は被災直後の危険なイメージが固定されています」(早野氏)。

 早野氏と福島高校の生徒たちは、フランスやベラルーシなど国内外の12校と協力し、各地で日常的に生活する上で空間から受ける外部被ばく線量を測定。その結果を昨年、論文にまとめて発表した。分かったのは、「福島で普通に生活しても、日本や世界の他の場所で生活しても、外部被ばく量は大きく変わらない」ことだった。

「生徒たちがこの事実を放射線に関する国際シンポジウムで発表した時、海外の学生から『君たちは福島から来たのか。人が住んでいるのか?』と真顔で聞かれてショックを受けました。私も、福島の現状を世界に発信しなければと思うようになりました」

 福島県では、9つの市町村で避難指示が完全に解除されていないが、解除にあたっては、除染の完了が前提となる。科学者の立場で除染の有効性をどう見るか。
「時間が経つと放射線量は自然と下がります。5年経った時点で除染を始めても、科学的には効果は薄いんです」(同)
 「政府が避難を命令したことは非常に重かった。居住の自由を奪ったわけですから。本当は、帰りたい人は帰っていいとすればよかった」

「1ミリシーベルト」の呪縛から自由に
 除染は本当に必要なのか。
 政府は、避難区域解除のための除染目標を年間の追加被ばく量1ミリシーベルトとする。これについて2月、丸川珠代・環境相が「科学的根拠はない」と発言したことが問題となった。

 だがこの数値は、日本の自然放射線の平均を超えないという目安にすぎない。国際原子力機関(IAEA)も2013年、「年間1ミリシーベルトを目指す除染の必要はない」と日本に勧告した。国際放射線防護委員会(ICRP)など、複数の国際機関は、年間積算線量が100ミリシーベルトまでの場合、健康への影響は検出できないとしている。

 放射線を怖がる一方で、ないがしろにされているのは、「恐怖によって失うもの」。心身の健康や財産、家族や地域の絆だ。
  政府が、必要のない避難で人々の生活基盤を破壊したのであれば、それこそ謝罪する必要がある。
 本当は必要なかった「強制避難」は、一刻も早く解除すべきだ。次の世代にどんな福島を残すか、選択の時が来ている。
  


Posted by ケニー爺 at 05:23Comments(0)戦争・歴史・政治・経済