2015年07月11日

岩手いじめ自殺・いじまも井澤氏語る

岩手いじめ自殺は止められなかったのか? いまだに残る隠ぺい体質
2015.07.09 ザ・リバティ・ウェブより、
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9879




岩手県矢巾(やはば)町で中学2年の男子生徒が、いじめを示唆する内容をノートに記した後、自殺した問題について、同町教育委員会は、いじめの有無を調査する第三者委員会を設置することを決めた。
問題のノートは、毎日担任に提出するもの。この中で男子生徒は、「そろそろ休みたい。氏(死)にたい」「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどねwまぁいいか」などと書き残していた。

6年間で5000件以上のいじめ相談を受けるいじめ解決の専門家、一般財団法人「いじめから子供を守ろうネットワーク」代表の井澤一明氏は、次のように話す。

「岩手県は、昔ながらの隠ぺい体質が特に色濃く残っている地域です。『声をあげたり、波風を立てる者が悪だ』という空気があります。これまで相談を受けたもののうち、岩手県で解決できなかったいじめ事件は2件ありましたが、ひとつは県の教育委員会が出て来ても『証拠がない』の一点張り、もうひとつは、市議会議員を巻き込んでもなあなあにされてしまいました。今回の事件の背景には、こうした体質があると思います」

「日本全国を見れば、いじめ防止法ができてから、教師や校長の意識は確実に変わってきています。私たちに協力してくれている校長先生からは、ある教育関係者の集まりで、自分の学校の問題を赤裸々に話して、『みなさん知恵をかしてください』と発表する人もいたと聞きました。ただ、私が教師向けの講演をしていて驚くのは、先生たちが『いじめ防止法』の内容をほとんど知らないということです。『いじめ防止法』には教師に対する罰則がないことにも問題があると思います」

「学校の姿勢が変わることが何より重要です。今回、学校側は『いじめを認識していなかった』と言っており、担任の先生の責任が問われていますが、学校の空気として、言い出せない雰囲気ができていたのではないかと思います。担任の先生も周りに相談できずに苦しんでいたのではないでしょうか。校長が変われば学校は変わります。このような痛ましい事件を防ぐためにも、隠ぺい体質を変えなければなりません」

井澤代表は他にも、子供たちに「転校」や「警察に通報する」という選択肢があると知らせることや、「いじめは悪である」という善悪の価値判断を教えていくことなどを訴えた。

【関連サイト】一般財団法人「いじめから子供を守ろうネットワーク」

http://mamoro.org/